この地域は有名なライン下りにおいてのハイライトで、左右に点在する古城とそれを取りまく景観は文字通り風光明媚そのもの。
ローレライやニーベルング等伝説の宝庫であり、ハインリッヒ・ハイネは言うに及ばず、多くの詩人、音楽家の想像力を掻き立て、多くの芸術作品を生み出してきた。
年平均温度9.2度、年間降雨量560ミリで、日照時間1430時間。
足下を流れる大河ラインの膨大な水量による気温調節の恩恵をじかに受けている。
地質は、デヴォン紀頁岩がベースだが、何と言っても洪積世黄土層がライン段丘を形成している。北端には火山系の岩層も見られる。
ブドウ畑の総面積は450ha程度。急傾斜面畑が圧倒的に多く、中には60度の急勾配になる畑もある。
急傾斜で働く労働コストの高さをカバーするのには、高品質の品種を扱わざるを得ないから、リースリングの栽培がラインガウに次いで高い。
ワインはあっさりした柔らかな風味が特長で、モーゼルのような鋭い切れはない。ここのワインは観光客が土産に持ち帰るものを除いて、殆どが外に出ることは無い。カウブ(Kaub)城(現在,山頂にある城跡ホテル)に行けば、この地の秀麗な銘醸ワインの味香をたっぷり楽しめる。
2つのベライヒがある。
*ワインブック GAULT MILLAUの「Guide to German Wines」の<The leading Producers>の5クラスあるものの中から3クラス以上のものをピック・アップした。
バハラッハは、中世を通じて、ライン・ワイン交易の中心の町であった。英国や北欧諸国には、このバハラッハからワインが船積みされ運ばれた。
ライン沿岸のワインは総て「バハラッハのワイン」と呼ばれ愛飲され、ライン・ワインの花形時代を築いたのである。